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ダイオード、整流回路、平滑コンデンサとツェナーレギュレータ

読了時間 8 分 · bitGateLab チーム

ほとんどの電子機器は直流で動作しますが、商用電源が供給するのは交流です。交流から直流への変換は、とても単純な部品、ダイオードから始まります。このテーマでは、手早く計算するためのダイオードのモデル、半波整流回路とブリッジ全波整流回路の構成、コンデンサが出力をどのように平滑し、どれだけリプルが残るか、そしてツェナーダイオードがどのように一定の電圧を保つかを見ていきます。最後には、基本的な電源回路を一歩ずつ計算できるようになります。

ダイオードとそのモデル

ダイオードにはアノードとカソードの二つの端子があり、主に一方向に電流を流します。アノードがカソードより正のときは順方向バイアスで導通し、逆のときは逆方向バイアスで、無視できるほどの漏れ電流しか流れません。回路の計算には、二つの簡単なモデルを使います。

実際の特性曲線は指数関数で、電圧降下は電流とともに少し増えます。しかし、電源回路の計算のほとんどでは 0.7 V のモデルで十分です。

例題 1. 5 V の電源が、1 kΩ と直列にした順方向のシリコンダイオードに接続されています。

  1. 理想モデル:I = 5 V/1 kΩ = 5 mA。
  2. 定電圧降下モデル:I = (5 − 0.7) V/1 kΩ = 4.3 mA。

差は 14 % です。1.5 V の電源では差がずっと大きくなり、理想モデルはもう使えません。

半波整流回路

トランスと負荷の間にダイオードを一つ直列に入れると、正の半サイクルは通し、負の半サイクルは阻止します。出力は、ゼロの区間で隔てられた「山」が並んだ波形で、周波数は商用電源と同じです。

ブリッジ全波整流回路

ブリッジ回路は、ダイオードを四つ使います。正の半サイクルではそのうちの二つが、負の半サイクルでは残りの二つが導通しますが、どちらの半サイクルでも負荷には同じ向きに電流が流れます。その結果、負の半サイクルが上向きに「折り返され」ます。

入力半波整流全波整流 000
入力の正弦波二サイクル(上)、半波整流回路の出力(中)、ブリッジ回路の出力(下)。理想ダイオードとして描いています。ダイオードの電圧降下を考えると、出力のピークは入力のピークより 0.7 V または 1.4 V 低くなります。

例題 2. あるトランスの二次側は、60 Hz で実効値 12 V を出力します。

  1. 二次側のピーク:Vp = 12 · √2 = 16.97 V。
  2. 半波:出力のピーク 16.97 − 0.7 = 16.27 V、平均値 16.27/π = 5.18 V、周波数 60 Hz。
  3. ブリッジ:出力のピーク 16.97 − 1.4 = 15.57 V、平均値 2 · 15.57/π = 9.91 V、周波数 120 Hz。

コンデンサによる平滑とリプル電圧

負荷と並列に入れたコンデンサは、山が来るたびにピークまで充電され、整流された電圧が下がっている間は負荷に電流を供給して少し放電します。出力はほぼ一定になり、リプルと呼ばれる小さな変動が残ります。リプルがピークに比べて小さければ、次のように見積もれます。

Vr(pp) ≈ Iload / (fr · C)

ここで fr は山の周波数で、半波では 60 Hz、ブリッジでは 120 Hz です(商用電源が 60 Hz の場合)。出力の直流電圧は、およそ Vp,out − Vr/2 になります。

例題 3. 前の例題のブリッジ回路が、2200 µF のコンデンサを使って 100 mA の負荷に給電します。

  1. ブリッジでのリプル:Vr = 0.1/(120 · 0.0022) = 0.38 V(ピークツーピーク)。
  2. 直流電圧の概算:15.57 − 0.38/2 = 15.38 V。
  3. 半波で同じコンデンサを使うと、リプルは二倍になります:0.1/(60 · 0.0022) = 0.76 V。

逆向きの設計:リプルを最大 1 V に抑えて 500 mA を供給するブリッジ回路では、C ≥ 0.5/(120 · 1) = 4167 µF となるので、そのすぐ上の市販の標準値 4700 µF を選びます。

コンデンサは各ピークの近くで短いパルス状に再充電されるため、ダイオードには負荷の平均電流よりずっと大きいピーク電流が流れます。ダイオードとトランスを選ぶときは、この点を考慮しましょう。

レギュレータとしてのツェナーダイオード

ツェナーダイオードは、逆方向バイアスで使うように設計されています。降伏電圧 VZ に達すると、その電圧をほぼ一定に保つのに必要なだけ電流を流します。直列抵抗 RS を入れ、負荷をツェナーと並列にすれば、簡単な定電圧回路になります。抵抗が電圧の差を受け持ち、そこを流れる電流がツェナーと負荷に分かれます。

RS = (Vin − VZ) / (IL + IZ)

ツェナーがきちんと電圧を保つには、最小電流 IZ が必要です。負荷の消費が減ると、余った電流はツェナーが引き受けます。そのため、最悪条件である無負荷時の電力に耐えられなければなりません。

例題 4. 12 V から、20 mA の負荷用に 5.1 V を作ります。ツェナーには少なくとも 5 mA を残すものとします。

  1. RS = (12 − 5.1)/(0.020 + 0.005) = 6.9/0.025 = 276 Ω。270 Ω を選びます。
  2. RS の電流:6.9/270 = 25.6 mA。ツェナーには 25.6 − 20 = 5.6 mA が残ります。
  3. RS の電力:6.9 · 0.0256 = 0.18 W。1/2 W の抵抗なら余裕があります。
  4. 無負荷の最悪条件:ツェナーが 25.6 mA をすべて引き受け、5.1 · 0.0256 = 0.13 W を消費します。
  5. 入力が 10 V に下がると、RS を流れる電流は 4.9/270 = 18.1 mA となり、負荷の 20 mA に足りません。レギュレータは電圧を保てなくなります。入力にリプルがあっても、Vin がこの限界を下回らないようにする必要があります。

よくある間違い

シミュレータで試してみよう

電源回路全体を段階的に組み、仮想オシロスコープでそれぞれの波形を観察しましょう。

  1. トランスの二次側に相当する、振幅 16.97 V、60 Hz の正弦波電源を配置します。
  2. ダイオードと 150 Ω の負荷抵抗を接続し、半波整流の出力を観察します。
  3. ダイオードを、四つのダイオードによるブリッジに置き換え、波形とその周波数を比べます。
  4. 負荷と並列に 2200 µF のコンデンサを追加し、リプルのピークツーピーク値を測ります。
  5. コンデンサまたは負荷を変えて、リプルが I/(fr·C) の式に従うことを確かめます。
  6. 直列抵抗と、負荷をつないだ 5.1 V のツェナーを追加し、リプルがほとんどなくなる様子を観察します。

練習問題

  1. 実効値 9 V の二次側が、シリコンダイオードを使った半波整流回路に接続されています。出力のピークはいくらでしょうか。

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    Vp = 9 · √2 = 12.73 V。出力のピーク = 12.73 − 0.7 = 12.03 V。

  2. 同じ二次側とブリッジ回路では、出力のピークと、商用電源が 60 Hz のときの山の周波数はいくらでしょうか。

    解答を見る

    12.73 − 1.4 = 11.33 V で、周波数は 120 Hz です。

  3. 60 Hz の商用電源から、ブリッジ回路が 1000 µF のコンデンサを使って 50 mA を供給します。リプルを見積もってください。

    解答を見る

    Vr = 0.05/(120 · 0.001) = 0.42 V(ピークツーピーク)。

  4. 15 V から 9.1 V を作るツェナーレギュレータの RS を設計してください。負荷は 30 mA、ツェナーの最小電流は 10 mA とします。

    解答を見る

    RS = (15 − 9.1)/(0.030 + 0.010) = 5.9/0.04 = 147.5 Ω。市販の標準値 150 Ω では 5.9/150 = 39.3 mA が流れ、ツェナーには 9.3 mA が残ります。実際の最小電流がそれより小さければ十分です。10 mA を保証する必要がある場合は、すぐ下の標準値 130 Ω を使います。このとき 45.4 mA が流れ、ツェナーには 15.4 mA が残ります。