bitGateLab Analog · 学ぶ
日本語
シミュレータを開く

学ぶ › テーマ 3

抵抗の直列・並列接続、分圧回路・分流回路と負荷効果

読了時間 7 分 · bitGateLab チーム

多くの回路は、解く前に簡単にできます。複数の抵抗を一つの等価な抵抗に置き換えれば、網目が一つだけの問題になります。同じ考え方から、電子回路で最もよく使われる二つの回路、分圧回路と分流回路が生まれます。このページでは、直列・並列の組み合わせをまとめる方法、分圧回路・分流回路の設計、そして負荷効果の見分け方を学びます。負荷効果とは、正しく計算したはずの分圧回路が、ときに予想と違う電圧を出力する原因のことです。

抵抗の直列接続

二つ以上の抵抗が直列であるとは、途中に電流の一部を分ける節点がなく、すべての抵抗に同じ電流が流れる状態をいいます。合成抵抗は和になります。

Req = R1 + R2 + … + Rn

直列の合成抵抗は、最も大きい抵抗よりも必ず大きくなります。たとえば、1 kΩ + 2.2 kΩ + 4.7 kΩ = 7.9 kΩ です。

抵抗の並列接続

並列であるとは、すべての抵抗が同じ一対の節点の間に接続されていて、したがって同じ電圧がかかっている状態をいいます。この場合は、コンダクタンス(G = 1/R、単位はジーメンス)を足し合わせます。

1/Req = 1/R1 + 1/R2 + … + 1/Rn

抵抗が二つだけなら近道があります:Req = (R1 · R2) / (R1 + R2)、いわゆる「和分の積」です。並列の合成抵抗は、最も小さい抵抗よりも必ず小さくなります。同じ値の抵抗二つを並列にすると半分になります:1 kΩ ∥ 1 kΩ = 500 Ω。

例題 1. 1 kΩ ∥ 2.2 kΩ ∥ 4.7 kΩ を計算してください。

  1. コンダクタンス(mS):1/1 = 1、1/2.2 = 0.4545、1/4.7 = 0.2128。
  2. 和:1 + 0.4545 + 0.2128 = 1.6673 mS。
  3. Req = 1 / 1.6673 mS = 0.5998 kΩ ≈ 600 Ω。予想どおり、1 kΩ より小さくなります。

直列と並列が混ざった回路では、内側から外側へ、部分ごとにまとめていきます。まず明らかに直列または並列になっている組をまとめ、その結果を次の部分と組み合わせ、抵抗が一つになるまで続けます。

分圧回路

電源に接続した直列の二つの抵抗は、その値に比例して電圧を分け合います。R2(下側の、グランドにつながる抵抗)の電圧は次のとおりです。

Vout = Vin · R2 / (R1 + R2)

基準電圧を作るとき、大きな信号を A/D コンバータの入力範囲に合わせるとき、フォトレジスタやサーミスタのような抵抗型センサを読み取るときに使います。

+ − Vin R1 R2 RL Vout 0 V
R1–R2 の分圧回路。出力に負荷 RL を接続すると、R2 と並列になります。

例題 2. Vin = 12 V、R1 = 10 kΩ、R2 = 4.7 kΩ で負荷がないとき、Vout はいくらでしょうか。

  1. Vout = 12 × 4.7 / (10 + 4.7) = 12 × 4.7 / 14.7。
  2. Vout = 56.4 / 14.7 = 3.84 V。
  3. 分圧回路の電流:12 V / 14.7 kΩ = 0.816 mA。検算:0.816 mA × 4.7 kΩ = 3.84 V。

分圧回路を設計するには、R2 を決めてから次の式で求めます:R1 = R2 · (Vin/Vout − 1)。

分流回路

並列の二つの抵抗に電流が流れ込むと、電流は分かれ、その大部分は抵抗が小さい方に流れます。枝が二つの場合は次のとおりです。

I1 = Itotal · R2 / (R1 + R2)        I2 = Itotal · R1 / (R1 + R2)

分子にはもう一方の枝の抵抗が入ることに注意してください。枝が三つ以上ある場合は、コンダクタンスを使う方が楽です:Ik = Itotal · Gk / Gtotal。

例題 3. R1 = 1 kΩ と R2 = 4 kΩ の並列回路に 10 mA が流れ込みます。それぞれにいくら流れるでしょうか。

  1. I1 = 10 × 4 / (1 + 4) = 8 mA。
  2. I2 = 10 × 1 / 5 = 2 mA。
  3. 検算:どちらも同じ電圧になります。8 mA × 1 kΩ = 8 V、2 mA × 4 kΩ = 8 V。そして 8 + 2 = 10 mA。

負荷効果

分圧回路の式は、出力から電流を取り出さないことを前提にしています。何か(次段の回路、センサ、測定器)を接続したとたん、その負荷 RL が R2 と並列になり、下側の実効的な抵抗が下がって、出力電圧も下がります。これを負荷効果といいます。

例題 4. R1 = R2 = 10 kΩ の 10 V の分圧回路は、無負荷で 5 V を出力します。RL = 10 kΩ を接続するとどうなるでしょうか。RL = 1 MΩ ではどうでしょうか。

  1. RL = 10 kΩ の場合:R2 ∥ RL = 5 kΩ。Vout = 10 × 5 / (10 + 5) = 3.33 V。電圧の三分の一が失われてしまいました。
  2. RL = 1 MΩ の場合:R2 ∥ RL = 9.901 kΩ。Vout = 10 × 9.901 / 19.901 = 4.975 V で、わずか 0.5 % の低下です。

ポイント:分圧回路は、内部抵抗が R1 ∥ R2(この例では 5 kΩ)の電源のようにふるまいます。実用上の目安として、誤差をおよそ 10 % 未満に抑えるには、負荷をこの抵抗の少なくとも 10 倍に、誤差を 1 % 未満にするには約 100 倍にする必要があります。マルチメータも負荷の一つです。1 MΩ と 1 MΩ の分圧回路を 10 MΩ の測定器で測ると、5 V ではなく 4.76 V と表示されます。

よくある間違い

シミュレータで試してみよう

負荷効果は、リアルタイムに変化する様子を見るとずっとよく分かります。例題 4 の分圧回路を組んで、いろいろな負荷を試してみましょう。

  1. 10 V の直流電源を配置し、その端子間に 10 kΩ の抵抗を二つ直列に接続します。
  2. 中点とグランドの間にマルチメータを接続し、5 V になることを確かめます。
  3. 10 kΩ の負荷抵抗を下側の抵抗と並列に接続し、3.33 V に下がる様子を確かめます。
  4. 負荷を 100 kΩ に、次に 1 MΩ に変えて、それぞれの電圧を記録します。
  5. 抵抗を二つ並列に配置し、各枝の電流を測って分流回路の式を確かめます。

練習問題

  1. 100 Ω の抵抗が、200 Ω と 300 Ω の並列回路と直列に接続されています。合成抵抗を求めてください。

    解答を見る

    200 ∥ 300 = 60 000 / 500 = 120 Ω。Req = 100 + 120 = 220 Ω。

  2. 分圧回路で 9 V から 3.3 V を作る必要があります。R2 = 3.3 kΩ のとき、R1 はいくらにすればよいでしょうか。

    解答を見る

    R1 = 3.3 × (9/3.3 − 1) = 3.3 × 1.7273 = 5.7 kΩ。検算:9 × 3.3 / (5.7 + 3.3) = 9 × 3.3 / 9 = 3.3 V。

  3. 2 kΩ、3 kΩ、6 kΩ の三つの並列抵抗に 30 mA が流れ込みます。それぞれにいくら流れるでしょうか。

    解答を見る

    コンダクタンス:0.5 + 0.3333 + 0.1667 = 1 mS なので、Req = 1 kΩ、共通の電圧は 30 mA × 1 kΩ = 30 V です。電流:30/2 = 15 mA、30/3 = 10 mA、30/6 = 5 mA。合計:30 mA。

  4. R1 = R2 = 2 kΩ の 12 V の分圧回路が、2 kΩ の負荷に電流を供給しています。負荷があるときとないときの出力電圧はいくらでしょうか。

    解答を見る

    無負荷:6 V。負荷あり:R2 ∥ RL = 1 kΩ、Vout = 12 × 1 / (2 + 1) = 4 V。

直列・並列ではまとめられない回路の場合は、節点解析と網目解析へ進みましょう。